研究課題
基盤研究(C)
日英間で心不全レジストリを同一研究チームで同時比較し、英国症例は日本人症例と比べ、予後因子で補正後も短期予後が有意に悪いこと、米国由来の予後モデルが日本人心不全患者の死亡率を過大評価することが明らかとなった。さらに、ビッグデータを用いたアジア欧米4か国間心不全診療実態調査の結果、わが国では他国と比較して超高齢心不全患者を対象とすることが多く、入院中に多くの医療資源が消費されている一方、院内死亡率が高い現状が明らかとなった。
人種や医療システムの異なる多国間(特にアジア欧米間)では心不全患者の臨床像、治療などの診療実態が大きく異なることから、普遍的な予後予測モデルを作成・適用することが困難であることが示唆され、同様の人種・食生活・医療システムを持つ集団毎に予後予測モデルを作成し、検証してゆく必要性があると考えられる。また、わが国では入院中に多くの医療資源(特に侵襲的検査・治療等)が使用されており、その是非を検証する研究を行うことで医療費削減につながる可能性がある。
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