研究課題
基盤研究(C)
<実験方法>肺静脈・肺細静脈病変の解析のため、 8週令SDオスラットを用いてペントバルビタール腹腔内投与により麻酔後、次にあげる方法によりブレオマイ シン (BL)を投与し、肺静脈・肺細静脈病変を伴う肺高血圧ラットモデルの作成を試みた。1、頸部正中切開、喉頭直下からの気管穿刺による生食またはBL塩酸塩水溶液4U/kg の直接投与、2、背側両肩甲骨間皮下への埋め込み浸透圧ポ ンプによる生食またはBLの12U/kg/日または8U/kg/日または4U/kg/日または 12U/kg/週 投与、3、喉頭鏡による喉頭展開とマウス用経口ゾンデを用いたBL気管内単回投与、4、喉頭鏡による喉頭展開とラット気管内投与用スプレーゾンデを用いた隔日計3回のBL4U/kg/または8U/kg気管内投与。BL最終投与4週間後に再びペントバルビタール腹腔内投与により麻酔し自発呼吸下で心カテにより循環動態を評価した。また心肺採取を行い摘出 心より右室肥大の 評価をし、 組織固定を行なった摘出肺のマッソントリクローム(MT)染色およびEVG染色により組織変化および肺血管病変の評価をこころみた。またモデル作成と並行し、左心室カテーテルより逆行性にバリウムゼラチンを注入する方法で肺静脈同定を試みた。<結果と考察>スプレーゾンデを用いたブ レオマイシン投与では、他の投与方法と比較して死亡率が低く、個体によりばらつきはあるものの、肺胞構造の消失を伴う線維化病変を伴う肺高血圧モデルが 作成が可能であった。繊維化病変とBL濃度依存性については検体数が少ないため不明であった。肺組織における比較的長径が大きい肺静脈には左心室カテーテルより逆行性バリウムゼラチン注入が可能で血管の同定は可能であったが、細静脈レベルの血管同定については引き続き検討を要すると考えられた。
4: 遅れている
作成モデル検体数が少なく、細動静脈レベルの解析に時間がかかっている。
検体数を増やし、疾患モデルにおける肺血管病変の解析を進める予定である。
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