研究課題
基盤研究(C)
鉄芽球性貧血は、先天性と後天性に大別されるが、その大部分は骨髄異形成症候群(MDS)に伴う後天性鉄芽球性貧血(MDS-RS)である。MDS-RSにおいては、RNAスプライシング機構に関わるSF3B1遺伝子の変異を多くの症例で認めるが、環状鉄芽球の形成機序については明らかとされていない。ヒトさい帯血由来赤血球前駆細胞株HUDEP-2細胞についてSF3B1-K700E安定発現株を樹立したところ環状鉄芽球形成が確認された。さらに先天性鉄芽球性貧血の原因遺伝子であるABCB7の低下を認めたので、HUDEP-2細胞でABCB7遺伝子をノックダウンしたところ、同様に環状鉄芽球形成が確認された。
後天性鉄芽球性貧血の代表であるMDS-RSにおける環状鉄芽球形成機序について、先天性と共通の分子基盤が存在する可能性があるが、この点について包括的な解析を行った報告は国内外を含め認められない。本分子基盤の一端を明らかにしたことは、MDS-RSのみならず鉄芽球性貧血全体の病態の理解に繋がるだけでなく、MDS-RSへの新規治療法の開発にも繋がる可能性がある。また、本研究成果が赤芽球におけるヘム・鉄代謝に関する未知の生理的機構の解明に繋がる可能性もある。
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 2件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 10件、 招待講演 2件)
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