研究課題
基盤研究(C)
本研究は加齢に伴う造血幹細胞ニッチの変容を明らかにすることを目的とした。まずマウス骨髄のメタボローム解析やレポーターマウスの解析から、加齢に伴いマウスの骨髄で減弱しているシグナル経路を同定した。また組織染色やマウス骨髄の生体イメージングにより、骨髄の一部の血管内皮細胞が産生する代謝産物が骨髄の血流を維持し、造血幹前駆細胞の骨髄での血管外遊走に重要な役割を担っていることを示す証拠が得られた。これらの知見及び造血幹細胞移植、パラバイオシスの結果から骨髄での特定の代謝産物の減少が加齢に伴う造血幹前駆細胞の抹消から骨髄への移行効率の低下の一因となっている可能性が示唆された。
本研究で得られた加齢に伴う造血幹細胞ニッチの代謝動態の変容を示す知見から、これまで未解明であった造血幹細胞移植における加齢による生着率の低下の機序の全貌を明らかにすることのできる成果に結びつく学術的意義を持つと考えられる。また本研究成果の社会的意義としては、本研究成果を多くの血液疾患において重要な治療法である造血幹細胞移植の適応年齢の拡大に結びつく知見へと発展させることで、高齢化社会に十分に適応した医療体制の拡充に寄与する可能性があることなどがあげられる。
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