研究課題
基盤研究(C)
IgG4関連疾患におけるケモカインCCL18とその受容体であるCCR8シグナルの病態形成における役割と治療標的の可能性を解析した。IgG4関連疾患の病変局所では、CCL18陽性マクロファージ、樹状細胞、形質細胞、B細胞が増加し、in vitroではCCL18は末梢血単核球からのIgG4産生を誘導することを明らかにした。さらに、IgG4関連疾患類似モデルマウス(LATY136F knock in mouse;LATマウス)では、CCL8(CCL18のマウスにおける機能的アナログ)-CCR8経路の発現が増加し、抗CCL8中和抗体の投与はLATマウスの唾液腺における炎症細胞浸潤と線維化を改善した。
IgG4関連疾患におけるCCL18-CCR8シグナルの病態形成における役割と治療標的の可能性をはじめて明らかにした。今後CCL18-CCR8経路を標的とした新規治療戦略の有効性を、疾患モデルマウスを用いてin vivo、ヒト細胞を用いてin vitroで検証する予定である。本研究成果は、IgG4関連疾患の病態に基づく疾患特異的新規治療戦略の構築に繋がる有意義なものと考えられる。本経路を標的とした治療戦略の実用化は、ステロイド減量後の再燃が多いIgG4関連疾患の再燃予防やステロイドの更なる減量に寄与できる可能性が期待される。
すべて 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
Mod Rheumatol
巻: 30 号: 1 ページ: 7-16
10.1080/14397595.2019.1650694
Rheumatol Int
巻: Epub 号: 10 ページ: 1725-1732
10.1007/s00296-020-04555-y
Modern Rheumatology
巻: - 号: 4 ページ: 1-9
10.1080/14397595.2019.1632061