研究課題
基盤研究(C)
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、1970年代に出現した多剤耐性菌であるが、未だ克服されていない。本課題では、遺伝子情報に着目し、感染症に及ぼす影響について検討した。MRSAの網羅的遺伝子解析を行い、その変異と、感染症の臨床病態を評価した。その結果、接着・バイオフィルム関連の遺伝子領域に変異を持つ株は、有意に血流感染症を増加させること、接着・バイオフィルム関連の遺伝子発現の制御物質は、新規の感染予防薬となり得ることを明らかにした。さらに、最近増加している市中感染株の薬剤耐性と遺伝子変異の関与を報告した。これらの結果は、細菌の遺伝子情報が感染症の病態に深く関与していることを示していた。
これらの結果は、菌体側の接着・バイオフィルム関連遺伝子情報が、感染症の病態と相関し、血流感染症の予知因子となる可能性を示していた。さらに、接着・バイオフィルム関連遺伝子が新規治療標的となる可能性も考えられ、新たなバイオマーカーや、新規抗菌薬開発のターゲットとして、有用であることが示された。今後の感染症対策を考えるうえで、重要な結果であると考えられた。
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すべて 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 1件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件)
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