研究課題/領域番号 |
18K08450
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
越野 一朗 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80328377)
|
研究分担者 |
新敷 信人 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80569658)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | マラリア原虫 / 赤血球 / cAMP / PKAリン酸化 / マラリア / 情報伝達 / 感染防御 / ATP受容体 |
研究実績の概要 |
これまでの研究成果に基づき、申請当初とは逆である「赤血球内のcAMP濃度の上昇と、それに続く細胞内シグナル伝達経路の活性化は、熱帯熱マラリア原虫の赤血球侵入を抑制する」という仮説の検証を行なっている。 赤血球内cAMP濃度上昇はマラリア原虫の赤血球侵入に対して抑制的に働くにも関わらず、阻害剤によるプロテインキナーゼA(PKA)の活性抑制はマラリア原虫の侵入に全く影響を及ぼさなかったことから、PKA以外のcAMPを介したシグナル伝達経路、すなわちExchange protein directly activated by cAMP(EPAC)を介した経路が侵入抑制に関与しているのではないかと推察している。 EPACは成熟ヒト赤血球ならびに熱帯熱マラリア原虫の両方に発現していることが分かっているが、遺伝子破壊マラリア原虫を用いた検討から、原虫のEPACは赤血球侵入には必要ないことがPatelらによって報告されている(PLoS Biol. 17: e3000264 (2019))。したがって、EPACの活性化剤および阻害剤を用いた検証により、マラリア原虫の侵入に果す宿主赤血球のEPACの役割を明らかにすることができると予想され、準備を進めている。 2022年度は、新型コロナウイルス感染症対策に起因する講義・実習等の準備、実施にかなりの時間を費やす必要があり、計画通りに研究を進めることができなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
「研究実績の概要」で既述の通り、新型コロナウイルス感染対策のために、 ・入学試験問題(「化学」の作問を担当している)を2回分作成する必要があった ・密になることを避けるには学生全員を同時に実習室に収容することができず、2つのグループに分けて別々に実施する必要があったため、準備と実施に相応の時間が必要であった ・今年度の講義は対面とリモート(配信)とが混在する実施方法であったため、それぞれの講義方法に合わせて講義資料やスライドを修正する必要があった 等の対応のために時間を割かれ、計画通りに研究を遂行することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
EPAC(exchange protein directly activated by cAMP)の役割に焦点を当て、活性化剤あるいは阻害剤の存在下でマラリア原虫の赤血球侵入について検討する。EPACの関与が明らかになった場合、その上流・下流のシグナル分子を明らかにすべく特異的阻害剤の効果について検討し、マラリア原虫の赤血球侵入阻害のための有効な標的となる分子を検索する。 令和5年度は新型コロナウイルス感染対策が緩和されつつあり、研究遂行のための時間を確保できると予想している。
|