研究課題/領域番号 |
18K08810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
古谷 健太 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40535176)
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研究期間 (年度) |
2022-01-04 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ケタミン / 誘発電位 / 脊髄 / パッチクランプ / 脊髄後角 / 運動誘発電位 / 神経モニタリング / 運藤誘発電位 / 麻酔 |
研究開始時の研究の概要 |
全身麻酔薬がどこに作用するか、未だ明確ではない。静脈麻酔薬のケタミンは、麻酔作用とともに痛みや抑うつ症状を改善する。この作用は、主にグルタミン酸受容体に対する抑制作用から説明されてきたが、脊髄での作用は明らかにされていない。本研究では、臨床研究、および基礎研究の両面から、ケタミンの脊髄における作用について解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
ケタミンは運動誘発電位(MEP)の振幅に影響を与えない薬剤とされている。しかし、我々は二重盲検無作為化比較試験によって、ケタミン(1 mg/kg)のボーラス投与はMEPの振幅を減少させることを示した。 次に、ケタミンがMEPを減少させる機序およびケタミンの有する鎮痛機序について掘り下げるために、基礎研究を行った。ラット脊髄横断スライスを用いて、ホールセルパッチクランプ記録を行い、ケタミンの作用を調べた。ケタミンの灌流投与によって、NMDA起因性電流の振幅は減少した。自発性興奮性および抑制性シナプス後電流に対しては、変化がなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ケタミンは鎮静作用と鎮痛作用を併せ持つ。術中の運動機能モニタリングに運動誘発電位が用いられているが、運動誘発電位には影響を与えない薬剤とされてきた。しかし、我々はケタミンが運動誘発電位を抑制することを臨床研究によって証明した。 ケタミンには鎮痛作用があるが、痛み感覚の中継場所である脊髄後角ニューロンに対し、どのような作用があるかわかっていなかった。ラットの脊髄を用いた実験により、ケタミンはグルタミン酸受容体を抑制する一方で、シナプス伝達機構には大きな影響を与えないことが分かった。
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