研究課題/領域番号 |
18K08849
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 (2019-2021) 東京医科歯科大学 (2018) |
研究代表者 |
倉田 二郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50349768)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 慢性疼痛 / 内因性鎮痛機構 / オフセット鎮痛 / 下行性疼痛修飾系 / 報酬系 / 機能的磁気共鳴画像法 / 拡散強調画像法 / 痛み破局化スコア / マルチモーダルMRI / voxel-based morphometry / 痛み破局化思考 / ペルチェ素子 / Voxel-based morphometry / 慢性痛 / 機能的結合性 / 磁気共鳴画像診断法 / ポジトロン断層撮影法 / ミクログリア / 機械学習アルゴリズム |
研究成果の概要 |
3か月以上の長期にわたり治りにくい慢性痛では、脳における痛み情報の処理の仕方の変化している。慢性痛患者25名と健康被験者20名に対して、温熱刺激で痛みの感じ方を測定する感覚定量検査と、脳の機能と構造を多角的に検査する磁気共鳴画像法を施行した。これまでに、慢性痛患者は痛みを抑える脳の力と、痛みが減少する喜びを覚える脳の力が弱いことを解明した。同じデータから、慢性痛患者では頭頂葉や側頭葉に痛みの残像が残り、前頭前皮質との交互作用で痛み記憶が形成されることを見いだした。また、拡散強調画像から、慢性痛患者では痛み情報を処理する回路の機能が、左右半球間や、皮質と脊髄を結ぶ回路で低下することを見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性痛は、末梢組織・神経障害が治癒した後にも続き、医学的原因が不明である。また、患者の生活の質を低下させ就労を妨げるため、大きな社会的損失をもたらす。本研究は、慢性痛の原因を脳機能・解剖異常として視覚化し、これを診断と治療選択・評価に役立てられる可能性を示した。脳を標的とする新しい慢性痛治療法の開発や、認知行動療法や運動療法など全人的治療の確立に寄与すると期待される。更に、MRIによる脳機能と構造の多彩な情報に対して、PET分子イメージングによる生化学的裏付けを与える斬新な方法を呈示した。慢性痛における神経炎症の役割をヒト脳で初めて画像化し、新しい診断法開発につなげる学術的意義が大きい。
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