研究課題
基盤研究(C)
薬剤耐性菌として知られるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症に対する治療法確立は長年の課題である。MRSAに対して過去に幾つかの抗体が作製されたが、ヒト化抗体として試した臨床試験ではほとんどが無効である。そこで本研究ではi)菌の毒素産生制御系2標的、ならびに細胞壁合成系の中枢となる3標的を選定し、計14カ所の配列のペプチドを抗原として、モノクローナル抗体を計25種作製した。しかしいずれの抗体それ自体では目的とした毒素産生抑制活性あるいは菌増殖抑制活性は見られなかった。今後は複数の抗体の組み合わせ、あるいは抗菌剤と併用することによって付加的な抗菌効果が得られるか検討する予定である。
本研究において作製した抗MRSA抗体はいずれも単独では当初期待した効果(抗毒素産生作用ならびに抗増殖作用)は見られなかった。しかしこの結果、5種のタンパク質に関しては、今後の標的とすべき配列が絞り込まれたことになる。また、今後は他の抗体ならびに各種の抗菌剤との併用効果を検証しすることによって付加的な抗菌効果が得られるか検討する予定である。ハイブリドーマは樹立され液体窒素に保管されているため、必要に応じてすぐに抗体の追加産生ならびにヒト化抗体化が可能である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件)
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