研究課題/領域番号 |
18K08980
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
吉岡 昇 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20365985)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / 脳性麻痺 / モデル動物 / 細胞治療 / 骨髄単核球 / 嗅神経鞘細胞 / in vitro エレクトロポレーション / スライス培養 / 新生児虚血性低酸素性脳症 / 前額断脳スライス培養 / 交連軸索可視化 / エレクトロポレーション / 幹細胞 / 間葉系幹細胞 / 軸索再生 / 移植 / シナプス再生 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、中枢神経系白質再生、軸索再生の成功率を飛躍的に向上させる細胞治療を見い出すことである。そして、モデル動物での実験などを通して、移植用生体材料の最適化を行うことである。現在、学内の研究プロジェクトチームの中で、まずは脳性麻痺を対象とした細胞治療を目指す方向で研究を進めている。プロジェクトチームでは、脳性麻痺のモデル動物における、格段に有効な細胞治療を見い出し、それの臨床応用を模索するという計画である。本基盤研究 (C) においては、その細胞治療を脊髄損傷をはじめとした他の白質の損傷を伴うモデル動物に拡大するという方針である。 前回の報告書では、モデル動物作成技術を大幅に改善し、継続して行ってきたビームウォークテストにおいて、生後 35 日の動物においても、コントロールとの比較において有意差を検出できたこと、より大きな差を検出するために種々の行動学的試験のセットアップを行ったことを述べた。昨年度は、この新規行動学試験のうち、Rota-Rod テスト、握力テストにおいて、より明確な差を見い出すことができた。また、小動物用 MRI を利用し、モデル動物の脳にできた壊死巣の大きさを生きた状態で計測できる技術も取得し、細胞移植に先だって、動物を選別・層別し、細胞移植実験における実験群と対照群の障害の度合いを均質化した上で評価を行う体制が整った。骨髄由来単核球を短時間に精製する技術は開発中でありながら、最初の髄腔内移植実験も実施した。今年度は、単核球髄腔内移植による行動学的成績の向上を検出すべく、実験を継続して行きたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) Rota-Rod テスト、握力テストといった、モデル動物とコントロール動物との差を大きくとれる行動学的評価系を得たこと、(2) 小動物用 MRI を利用し、モデル動物の脳にできた壊死巣の大きさを生きた状態で計測できる技術を取得したこと、(3) 骨髄由来単核球のモデル動物へ移植する実験を開始できたこと、が、理由である。
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今後の研究の推進方策 |
[単核球髄腔内移植による行動学的成績向上の検出] モデル動物を作成し、MRI での壊死巣評価によってモデル動物の動物の選別・層別を行い、単核球髄腔内移植による行動学的成績の向上を検出する実験を推進して行く。 [モデル動物作成技術の更なる改善] この実験をひととおり行うには、1ヶ月半ほどの期間を要する。実験を成功させるには、モデル動物作成技術の改善も継続して行う必要があると考えている。昨年度、低酸素負荷チェンバーに入る前の、低酸素ガスの温度コントロールが非常に重要であることに気がついたので、チェンバーへ注入する前のガス温のモニター装置を追加する予定である。また、ガスへの加温の方法の改善、導入した低酸素ガス発生装置を利用したガス品質の安定化も行う。 [移植後の細胞の動態の追跡] 単核球に GFP を発現する動物から単核球を精製し、移植後の細胞の分布をGFPを指標として調べる実験も開始する。
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