研究課題
基盤研究(C)
本研究では先行研究に引き続き、高用量オキシトシン(OXT)を用いた分娩誘発での新生仔マウスの前頭前野の脳損傷についての詳細な解析を行った。高用量OXT誘発により出生した雄の仔マウスで腹内側前頭前野の下辺縁皮質と前辺縁皮質および脳梁小鉗子に細胞死を認めた。これらの部位は自閉症スペクトラムに関与するとされており、高用量OXT誘発分娩により出生した雄の仔マウスの脳損傷の影響を受けやすいことが示唆された。
オキシトシンは分娩誘発・促進剤として産科の処置で一般的に使用される薬剤であり、有害事象として過剰な子宮収縮によって、胎児へ低酸素性脳症などの有害事象が発生することが知られている。母獣への高用量でのオキシトシン投与は、過剰な子宮収縮を誘発させた今回の解析で影響を受けた領域は、自閉症スペクトラム障害など精神発達障害に関連する部位であった。疫学調査で分娩時オキシトシンを使用した児に精神発達障害が多いとの報告も見られ、オキシトシンによる過剰な子宮収縮と自閉症スペクトラム障害発症の関係があることが示唆された。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
PLOS ONE
巻: 16 号: 8 ページ: e0256693-e0256693
10.1371/journal.pone.0256693
Journal of Obstetrics and Gynaecology Research
巻: 141(46) ページ: 66-78