研究課題
基盤研究(C)
子宮体癌の1割を占める子宮体部漿液性癌(SEC)は好転移性で治療抵抗例も多い。本研究ではSECの網羅的遺伝子解析を通してMyc活性がSECの悪性性格を司り、その下流因子が治療標的となりうる可能性を見出した。さらにヒト臨床検体においてSECでは抗腫瘍免疫逃避機構が亢進していたことから、正常免疫下のマウスSECモデルを作成した。このモデルを用いてがん・宿主間で抗腫瘍免疫逃避機構の探索を行い、伝達シグナルとして腫瘍細胞からのCCL7分泌が重要な因子となることを見出した。これらの成果を英語論文として投稿すると共に、これまでの成果を発展させ、がん・宿主間シグナルに働きかける治療法の探索を開始した。
現在までに有効な治療法の無いSECについてはドライバー遺伝子や治療候補薬剤を同定したという報告もあるが、再現性を示す報告や免疫健常生体内での有効性を示す報告は見られない。我々はこれまで国内外の研究者の協力を得て多コホート・多細胞株での検討を重ねmyc/STAT1がSECの多様な治療抵抗性を司り、予後不良因子となることを明らかにしてきた。これまでの課題を基にSECの免疫健常マウスモデルを作成し、対照モデルとの比較でSECの抗腫瘍免疫逃避機構の一端を明らかにした。この成果は今後のSEC研究への発展に留まらず、女性の健康を蝕む他癌腫にも応用できる可能性が高く、本研究の学術的独自性は高いと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (29件) (うち国際共著 12件、 査読あり 26件、 オープンアクセス 19件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件)
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