研究課題/領域番号 |
18K09350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
大國 毅 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40464490)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ヒト鼻粘膜上皮 / 上皮バリア / 上気道慢性炎症 / HMBG1 / p63 / ヒト鼻粘膜上皮細胞 / タイト結合 / h TERT / ギャップ結合 / CYP / KLF11 |
研究成果の概要 |
p63はp53がん抑制遺伝子ファミリーの一つで、細胞増殖・アポトーシスの制御に関連し,鼻粘膜上皮においてはアレルギー性鼻炎患者など気道の慢性炎症で発現亢進を認めるが,その役割は不明な点が多い。本研究の目的はヒト鼻粘膜上皮におけるp63の役割および発現調節の解明である。 正常ヒト鼻粘膜上皮細胞においてp63はタイト結合,微絨毛発現に対し負の調節機構に関連していた。またアレルギー性鼻炎患者の血中,鼻汁中で増加する転写因子HMBG1は,p63,タイト結合分子LSRの発現に関与していた。これはTGFβシグナル経路を介した反応であり,TGFβ,p63はアレルギー性鼻炎の治療標的となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アレルギー性鼻炎や好酸球性副鼻腔炎といった上気道の難治性慢性炎症性疾患は,本邦のみならず世界的に増加傾向にある。現在,これらの疾患に対する根治的な治療法はなく,新規治療薬の開発が望まれる。 われわれはアレルギー性鼻炎患者で発現亢進する転写因子p63に着目し,正常ヒト鼻粘膜上皮細胞を用いて鼻粘膜におけるp63の役割および発現調節について検討した。 結果p63は鼻粘膜上皮細胞のタイト結合,微絨毛発現に対し抑制的に働いていた。また,転写因子HMBG1は,TGF-βシグナルを介し鼻粘膜上皮バリア機能の低下に関わっていた。将来的に,TGF-β1受容体阻害が上気道慢性炎症の治療に結びつくことが期待された。
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