研究課題/領域番号 |
18K09463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
上野 宏樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30529897)
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研究分担者 |
上野 聰樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 名誉教授 (20109010)
服部 貴明 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (20408173)
鈴木 登 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40235982)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 糖尿病 / 慢性炎症 / 角膜三叉神経 / 角膜幹細胞 / マクロファージ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は糖尿病の状況により誘引された慢性炎症は角膜三叉神経と角膜幹細胞に対して阻害因子であるという仮説のもとに、糖尿病モデルマウスを用いて重症糖尿病を仮想し、慢性炎症反応誘導時のケモカイン、炎症性サイトカイン、抗炎症性サイトカインの経時的評価、更に角膜幹細胞、角膜三叉神経に対する影響を検討することである。まず高血糖状態の安定した重症化モデル作成のため糖尿病マウスに高脂肪含有飼料で飼育したところ、血糖値が正常マウス群は136.5±13.2mg/dLに対して、糖尿病モデルマウス群は565.0±39.5mg/dLであった。また平均的血糖状態を反映するHbA1c値においても正常マウス群は4.1±0.3mg/dLに対して、糖尿病モデルマウス群は9.8±0.6mg/dLであった。 糖尿病モデルマウス群と比較して糖尿病モデルマウスにliposomal clodronate結膜下注射を施行した群は神経のマーカーであるβIII tubulinの発現が正常マウス群と似た角膜上皮下神経叢の所見を示した。一方糖尿病マウスにliposomal clodronate結膜下注射を施行した群の炎症性サイトカインのmRNA定量をReal Time PCRにて測定したが、炎症性サイトカインであるTumor Necrosis Factor α (TNF-α) やInterferon γ (IFN-γ) には糖尿病マウスと比較して変化を及ぼしていなかった。 以上のことから重症2型糖尿病に対して糖尿病角膜障害をきたした際、マクロファージ枯渇薬を用いることで三叉神経支配である角膜上皮下神経叢障害保護の可能性を示唆した。これはliposomal clodronateがマクロファージ枯渇作用のみでなく細胞内でATP類似体としてATP代謝を阻害する事を踏まえると、ATP経路を介した慢性疼痛発症メカニズムの関与が考察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
重症糖尿病による慢性炎症が角膜三叉神経と角膜幹細胞に影響を及ぼすと仮説を立て研究を現在すすめているが、in vivo実験で一部のサイトカインに変動がみられ、in vitro実験にてその鍵となるサイトカインと神経保護因子の関連性の立証に引き続き時間を割いている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
糖尿病モデルマウス群と比較して糖尿病モデルマウスにマクロファージを枯渇するliposomal clodronate(クロドロン酸)結膜下注射を施行した群はβIII tubulinの発現が正常マウス群と似た角膜上皮下神経叢の所見であり神経保護の可能性を示した。以上を踏まえ、重症糖尿病誘引の慢性炎症環境時におけるサイトカインと神経関連因子の相関性を詳細にすることで角膜神経保護のメカニズムの解明を目標とする。
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