研究課題
基盤研究(C)
末梢神経損傷後の再建において、端側神経縫合法は軸索伸長法のひとつである。本研究では端側神経縫合が生体内において人工神経に対するシュワン細胞を供給するための有用な技術となりうるかどうかを検討した。本研究には8週齢から12週齢の軸索が蛍光発色する遺伝子改変マウスを用いた。今回の研究では、軸索伸長に用いられていた端側神経縫合法が、人工神経内での軸索伸長を促進するためのシュワン細胞供給の手法として有効であることが明らかとなった。
これまで四肢外傷よる神経損傷や悪性腫瘍切除後に生じた長い神経欠損に対して、自家神経移植術が標準術式として用いられてきたが、移植神経採取部の合併症、採取可能な神経長の限界などの問題点がある。2013年3月から人工神経の臨床応用が可能となったが、現時点での人工神経の適応は、神経欠損長が3㎝以内で感覚神経のみに限られている。本研究の結果により、長い神経欠損を架橋する際に、軸索伸長を促進するための栄養因子を供給するシュワン細胞の人工神経内への導入が生体内で可能となった。
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