研究課題
基盤研究(C)
骨基質タンパク質であるオステオカルシン (GluOC)は、全身の糖・エネルギー代謝を改善するだけでなく、筋肉量維持にも寄与する。骨格筋は脂肪細胞から動員された脂肪酸を取り込みエネルギー源とする。GluOCの脂肪分解への影響を検討するため、脂肪細胞特異的GPRC6A(GluOC受容体)欠損マウスを作製し、解析を行なった。GPRC6A欠損マウス由来脂肪組織では脂肪分解酵素群の発現が低下しており、脂肪分解が抑制されていた。そのため、エネルギー源としての脂肪酸の利用も低下していた。以上のことから、GluOCは脂肪の分解を促し、骨格筋のエネルギー源となる遊離脂肪酸の放出に寄与することが明らかになった。
サルコペニア肥満は、代謝異常と運動機能低下の悪循環によって、サルコペニアや肥満の単独事象よりも深刻な身体機能低下をもたらし、要介護・寝たきりのリスクが高まる。GluOCは、脂肪細胞におけるGPRC6Aシグナルを介して脂肪の分解を促進する。つまり、GluOCは食餌誘発性の肥満とそれに起因する代謝異常を抑制するのみならず、脂肪分解促進作用による遊離脂肪酸放出によって骨格筋にエネルギー源を供給し、骨格筋の機能向上にも寄与する。GluOCはサルコペニアと肥満の両方にアプローチすることでサルコペニア肥満の悪循環を断ち切る治療標的となり得る。
すべて 2022 2021 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 4件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
J. Cell. Sci.
巻: 135 号: 1
10.1242/jcs.258584
糖尿病・内分泌代謝科
巻: 54(3) ページ: 259-266
Molecular Metabolism
巻: 54 ページ: 101360-101360
10.1016/j.molmet.2021.101360
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 557 ページ: 174-179
10.1016/j.bbrc.2021.03.146
Journal of Biological Chemistry
巻: 296 ページ: 100274-100274
10.1016/j.jbc.2021.100274
Advances in Biological Regulation
巻: 78 ページ: 100752-100752
10.1016/j.jbior.2020.100752
Journal of Endocrinology
巻: 244 号: 2 ページ: 285-296
10.1530/joe-19-0288
Neurochemistry International
巻: 131 ページ: 104563-104563
10.1016/j.neuint.2019.104563
Cell Death Disease
巻: 9 号: 12 ページ: 1194-1210
10.1038/s41419-018-1257-7