研究課題
基盤研究(C)
メチルグリオキサール(MG)は解糖系の副産物で、終末糖化産物の前駆物質である。我々は、骨芽細胞を用いた石灰化物形成モデルにおいて、MGがコラーゲンの架橋構造の糖化変性を起こし、石灰化物の機械的強度を低下させることを見いだしている。MGはタンパク質を求核攻撃することから、本研究では、強力な求電子性を持つ活性イオウ分子種(RSS)が骨芽細胞による石灰化にどのような影響を及ぼすかを解析した。RSS合成酵素の発現抑制は骨芽細胞による石灰化抑制を観察した。さらに、RSSドナーのひとつNaHSはMGによる石灰化低下を抑制した。RSSは、MGによる石灰化異常に対する治療効果が期待できる。
骨の強度は骨密度と骨質に依存する。種々の要因で、骨密度あるいは骨質が低下し、骨粗鬆症を引き起こす。2型糖尿病でも骨が脆弱になり骨折リスクが高まるが、この場合は、骨密度の低下に比較し、骨質の劣化が著しい。我々は、骨質劣化の原因の一つとしてMGによる骨基質タンパク質の糖化変性を見出した。本研究は、RSSがMGの反応性を低下させることで、2型糖尿病に伴う骨粗鬆症を予防できる可能性を示すもので、今後の治療薬開発の基礎となるものである。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 6件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 5件)
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