研究課題/領域番号 |
18K09889
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
岸 光男 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60295988)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 口腔粘膜炎 / 唾液 / 骨髄抑制 / 白血球 / 血液 / 化学療法 / 末梢血 / がん化学療法 / 唾液検査 / 発症予測 / 白血球数 / LDH / 口腔カンジダ / 周術期口腔管理 |
研究成果の概要 |
唾液中の炎症成分の変動から、がん化学療法患者の口腔粘膜炎発症を予測できるという仮説を検討した。 がん化学療法開始前後に患者26名から唾液を採取し、唾液中の乳酸脱水素酵素(LDH)、ヘモグロビン(Hb)および白血球を定量した。末梢血中の白血球、CRPを診療録から抽出した。 重度口腔粘膜炎が発症したのは5名で唾液炎症成分との関連は不明だった。血中の白血球数減少に伴い唾液中の白血球は減少した。化学療法中のみに唾液と血液の白血球に強い相関を認めた。以上から、化学療法により血液と唾液の白血球は同様に低下することが示され、これが骨髄抑制による口腔免疫の低下の機序の1つであることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん化学療法による口腔粘膜炎は一次性粘膜炎と二次性粘膜炎に分類される。一次性は抗がん剤の直接作用であり、二次性のものは骨髄抑制による白血球減少により、口腔内が易感染状態になることによると考えられている。しかし、血液中の白血球低下がなぜ口腔の易感染性につながるのかを研究した例はほとんどない。今回の研究で、化学療法による血液中の白血球低下には症例差が大きいこと、血液中の白血球低下率が高い者は唾液中でも同様に低下率が高いことが観察され、化学療法の白血球減少への影響は血液と同様に唾液にも現れることが観察された。このことは二次性口腔粘膜炎の発症機序の解明と予防法の開発に大きく寄与するものと考えられる。
|