研究課題/領域番号 |
18K10060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
森本 泰夫 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (30258628)
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研究分担者 |
和泉 弘人 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 准教授 (50289576)
友永 泰介 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (20721707)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 有機高分子化合物 / アクリル酸系ポリマー / 肺障害 / Polyacrylic acid / inflammation / fibrosis / lung / organicpolymericmaterial / pulmonary fibrosis / rat / organic polymer material |
研究成果の概要 |
有機高分子材料の肺障害性を検討するために実験的検討を行った。ばく露群には、架橋型、非架橋型のアクリル酸系ポリマーを蒸留水で懸濁し、低用量、高用量でラットに気管内注入し、対照群には蒸留水を気管内注入した。定期的に3DマイクロCTおよび解剖を行い、肺炎症を評価した。6ヶ月間の観察においては、炎症は、架橋型、非架橋型とも用量依存性に起こり、炎症の程度および持続期間は、架橋型が非架橋型より強い傾向にあった。また、線維化は架橋型では注入後1週から6ヶ月まで持続したが、非架橋型では明らかな線維化は認めなかった。 長期的な影響を検証するために、アクリル酸系ポリマーを気管内注入した後2年間の観察も継続している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日用品の材料として世界中で汎用されているアクリル酸系ポリマーが重篤な肺障害につながる懸念は、有機高分子材料全体が安全であるという概念のもと生産を伸ばしてきた産業界にとっても非常に衝撃的な問題であり、解決しなければならない喫緊の課題と考える。本試験では、アクリル酸系ポリマーの肺障害を気管内注入試験で評価し、併せて、どのような有機高分子材料の特性が肺障害性につながるかの見解を示すことが可能と考える。評価方法自体が確立していない有機粉じん全般の肺への有害性評価の手法の開発の一助となり、有機粉じんの有害性が認識されることで産業界全体の材料革命につながるものと予測される。
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