研究課題/領域番号 |
18K10089
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
小林 法一 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (30333652)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | BPSD / 認知症 / 作業療法 / ケア / コミュニケーション |
研究実績の概要 |
認知症に伴うBPSDは,本人および家族のQOLのみならず,介護者や医療者等の支援に重大な支障を与えかねない.一方で,BPSDは適切な支援によって軽減可能とされている.代表的なのが本人にとって大切で意味のある役割や活動への参加支援である.活動中の彼らは,実に穏やかで落ち着いた様子を見せる.しかし,そうした活動は個人によって異なるため,その特定が最大の課題となっている. この解決に向けて,本研究では2つのコミュニケーションtoolを考案し評価マニュアルの開発を進めている.これらのtoolは,①認知症者とのコミュニケーションを容易にして豊富な語りを引き出すこと,また②toolにより引き出された語りの中に,本人の望む役割や活動の特定に役立つ情報が含まれていることが示唆されている. Toolが有効に機能すると認知症の方々の間で自然な会話が成立したり和やかな交流が展開される.本人の望む活動が浮き彫りになることもある.今年度はこの点に注目し,主として2つの研究をすすめた.1つは支援者側の評価の視点の解明である.言語によるコミュニケーションに難がある重度認知症者の支援では,支援者側が対象者の表情や仕草から意思を読み取ることになる.この際,支援者側がどのような情報(表情などの非言語的サイン)を手掛かりとするのかを詳細に調べた.昨年度から継続して分析を試みた結果,支援者は対象者の発する9つ程のサインの複合的な組合せを手掛かりに,意思を判断することがわかった.この成果を論文投稿した.2つ目は,toolを活用した実践場面の動画の分析である.動画は対象者50名,時間にして140時間ほどあり,その中でもベストプラクティスと思われる場面を30時間ほど抽出して解析を実施した.解析結果の分析は現在も進行中であるが,対象者の良好な状態の発生には共通するパターンがある可能性が明らかになりつつある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までは,コロナ禍に伴う介入研究実施困難の影響で遅れが生じていたが,今年度より研究方法を介入から観察研究に切り替えたことで,遅れを取り戻した.
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今後の研究の推進方策 |
撮りためた動画の解析と分析を継続する.膨大な量のため,解析担当者を確保するなどの対策で研究期間内に終えられるよう努める.平行して,臨床現場に手芸やeSPORTSなど対象者の意志に適しそうな活動を行うための備品を準備し試行を試みる. 研究成果を複数の論分や学会報告として公表する.
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