研究課題/領域番号 |
18K10399
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 (2019-2023) 広島国際大学 (2018) |
研究代表者 |
和氣 久美子 (木戸久美子 / 木戸 久美子) 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (40269080)
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研究分担者 |
三谷 明美 山口県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60382389)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ゲートキーピング / 男性の育児 / 周産期うつ / paternal depression / 夫婦関係 / 産後うつ / 発達特性 / 仕事のストレス / パートナーとの関係 / 男性性 / メタエスノグラフィー / EPDS / コミュニケーション / 男性のうつ症状 / 産後うつ病 / 男性 / 人間関係 / 経済的不安 / 発症率 / オッズ比 / レジリエンス / 忘れられた支援 / 経済状況 / 父親 / 疫学 / 要因分析 / 支援プログラム |
研究実績の概要 |
1.乳児期の子育てを行う父親の育児の様子とこころの健康状態(インタビューのまとめ) 本研究では、昨年度からの続きとして、乳児期の子育てを行う父親を対象として、子育ての様子とこころの健康状態について半構造化面接を行った。対象は、総合病院で出産した女性の夫で、産後の任意の時期にインタビューすることを依頼した。本研究に協力したいと申し出た父親9人に半構造化面接を実施した。こころの健康状態を評価する指標としては、エジンバラ産後うつ病質問紙(EPDS)、Patient Health Questionnaire-9(PHQ-9)の2つ尺度を用いた。子どもの月齢平均は8.2か月(4か月-16か月)だった。語りのなかで、父親は、子育てが始まったばかりのころには戸惑いを感じていたこと、精神的にはあまり落ち着いた状態ではなかったと語っており、時間の経過とともに徐々に育児に慣れていき、少し落ち着いたころにインタビューに応じる気持ちになったようであった。また、育児に慣れ、子どもとの生活が落ち着くことにプラスに働いたのは、妻とのコミュニケーションが良好であるが重要であると推測された。 2.母親のゲートキーピング傾向と父親の育児関与に関する文献検討 2023年度は、父親の産後うつ病に関連する要因として、これまでの研究から推測された母親のゲートキーピング傾向に対する文献レビューを行った。母親のゲートキーピングとは「男性が家事育児を行うことを通して学習し成長する機会を制限することで、結果的に家事労働における男女の協働を阻害する信念や行動の集合体」と定義されている。ゲートキーピング傾向が母親側に存在する場合は、父親の育児関与を拒むことにもなる。さらに、父親の精神面の健康状態に影響する可能性もある。母親のゲートキーピング傾向を把握し、コントロールすることが健全な育児環境をつくる上で重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教育業務の負担が増えたことにより、研究に割り当てられる時間が少なくなったことで遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、以下を行う。 これまでの調査により、父親の産後うつ病のリスクは、妊娠後期から、産後早期に高くなることが予測されたため、妊娠期にあるパートナーをもつ男性に対して、産後うつ病予防のための冊子を作成し、提供する。また、文献レビューにより、母親のゲートキーピング(母親が家事育児を仕切り、父親の育児関与を拒み、父親の育児に対する自信を否定する)傾向が、父親の産後うつ病のリスクを高める可能性がうかがえたことから、母親の家事育児に対するゲートキーピング特性とそれをコントロールすることが、父親の産後うつ病を予防することにつながる可能性についても冊子に加える。 上記の研究の成果をまとめた冊子を病院や助産院に配布し、その効果について検討したい。
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