研究課題
基盤研究(C)
正確な呼吸数の把握には気流センサやカプノメーターをマスクや鼻カニューレに装着して計測される。鼻カニューレは酸素療法を行う場合には装着が難しく、フェイスマスクは圧迫感や不快感が強いため重症患者には装着の負担が大きい。我々はストレッチセンサを用いて運動時にも簡便に胸郭運動から呼吸数を計測する装置を開発した。同センサを用いて健常若年者を対象にトレッドミル歩行中の呼吸数を測定した実験では、気流センサと比較して誤差3回以内の高い精度を達成した。本研究ではウェアラブルセンサを用いた呼吸数計測装置を用いてCOPD患者の時間内歩行試験で呼吸数が運動耐容能とどのような関連があるのかを検証した。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、タバコ煙を主とする粒子への曝露により生じる慢性の炎症性疾患であり、気流閉塞によって労作時の息切れを主症状とする。息切れにより低下するCOPDの運動耐容能は、時間内歩行試験によって評価することが推奨されている。代表的な時間内歩行試験である6分間歩行試験は、歩行距離が運動耐容能を反映するだけではなく、生命予後とも関連する。したがって、6分間歩行試験にける呼吸数が運動耐容能とどのような関連があるのか、更に低酸素血症と呼吸数の関連についての検討は、COPDの予後を検証する上で貴重な指標となる。
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Respir Med
巻: 190 ページ: 106675-106675
Med Biol Eng Comput
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