研究課題/領域番号 |
18K10951
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 日本体育大学 (2021-2023) 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 (2018-2020) |
研究代表者 |
村井 敬太郎 日本体育大学, 体育学部, 准教授 (10755987)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 特別支援学校(知的障害) / 体育授業 / 困難さ / 運動有能感 / 知的障害 |
研究実績の概要 |
研究1では,特別支援学校 (知的障害) に体育授業の実態調査を実施し,実態の全体的傾向と構造を明らかにして各学部の特徴を検討した.取組実態の構造では,「子どもの動きについての指導内容」「体育授業の重視」「体育授業を行う環境の充実」「子どもの健康についての指導内容」「体育授業に関する研究と研修の実施」「チームティーチングによる指導」の6因子が抽出された.「子どもの動きについての指導内容」では高等部に比して小学部,「体育授業の重視」では小学部に比して中学部,「子どもの健康についての指導内容」では小学部に比して中学部と高等部,「チームティーチングによる指導」では高等部に比して小学部の得点が有意に高いことが示された.いずれも効果量は小さいが,学部間の差異が確実に存在することを確認した. 研究2では,特別支援学校(知的障害)教員に体育授業の取り組みの困難さを調査し,困難さの全体的傾向と構造を明らかにして教員の属性と各因子の関連を検討した.困難さの構造では,「子どもの実態把握,指導目標と指導内容の設定」「学習評価と授業改善」「チームティーチング」「子どもへの適切な支援」「体育授業の専門性」「体育授業の充実」の6因子が抽出された.体育授業での子どもへの支援の苦手群と体育授業の取り組みの困難さの各因子との関連では,「チームティーチング」を除く因子で有意なロジスティック回帰係数を認めた.教員の困難さの軽減には,教員個人のキャリアや立場を考慮した研修内容を整理し,研修機会を積極的に設定する必要性が示唆された. 研究3では,特別支援学校(知的障害)高等部生徒を対象に「運動有能感測定尺度」による調査を実施した.現在,運動有能感と生徒の属性との関係を分析し,属性の違いによる生徒の運動有能感の特徴を検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来ならば令和3年度末に終了予定であったが,全国的な新型コロナウイルス感染症蔓延の影響とそれに伴う前所属機関及び現所属機関の業務多忙化により,当初計画を延長して実施している. 研究1「特別支援学校(知的障害)の体育授業の取組状況:全国調査の結果から」は,論文化が終了し,学校体育関連の学術雑誌に研究資料として令和6年度中に掲載予定である. 研究2「特別支援学校(知的障害)の体育授業の取り組みにおける教員の意識:困難さに焦点を当てて」は,論文化を終了し,令和6年2月に行われた学校体育関連の学会にて口頭発表を行った.さらに,学校体育関連の学術雑誌に研究資料として投稿し、現在審査中である. 研究3「特別支援学校(知的障害)高等部生徒の運動有能感の特徴」は当初予定していた分析方法での研究データの分析は終了しているが,その結果から分析方法を変えることでより詳細な結果を導き出すことが可能であることが分かったので,現在,新たな分析方法にて再分析中である.これは令和6年度中に論文化し,特別支援教育または学校体育関連の学術雑誌に原著または研究資料として投稿予定である. なお,令和6年度末が研究最終年度となることから,上記3つの研究を研究成果報告書としてまとめ,調査にご協力くださった全国の特別支援学校(知的障害)に冊子化して報告予定である.
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今後の研究の推進方策 |
研究1「特別支援学校(知的障害)の体育授業の取組状況:全国調査の結果から」は,学校体育関連の学術雑誌に研究資料として令和6年度中に掲載予定である.研究2「特別支援学校(知的障害)の体育授業の取り組みにおける教員の意識:困難さに焦点を当てて」は,令和6年2月に行われた学校体育関連の学会にて口頭発表を行うとともに,学校体育関連の学術雑誌に研究資料として投稿し、現在審査中である.研究3「特別支援学校(知的障害)高等部生徒の運動有能感の特徴」では,当初予定していた分析方法を変えることでより詳細な結果を導き出すことが可能と分かったので,現在,新たな分析方法にて再分析中である.これは令和6年度中に論文化し,特別支援教育または学校体育関連の学術雑誌に原著または研究資料として投稿予定である. 令和6年度末が研究最終年度となることから,上記3つの研究を研究成果報告書としてまとめ,調査に協力してくださった全国の特別支援学校(知的障害)に冊子化して報告予定である.
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