研究課題
基盤研究(C)
肝臓X受容体(LXR)活性は、一度形成されたアテローム性脂肪沈着巣からコレステロールを引き抜き、動脈硬化を退縮させる革新的な効果が期待されているが、脂質合成系遺伝子(SREBP1c)も誘導して、肝臓の脂質沈着をさらに悪化させる欠点がある。本研究では、この欠点を克服するため、目的①:胆汁酸によるSREBP1c活性の抑制効果と目的②:SREBP1cを活性させないLXR活性の新規リガンド候補であるウアバゲニンの効用について、申請者らが所有する特殊なNASH-心筋梗塞発症モデル(SHRSP5/Dmcrラット)を使用して検討した結果、脂肪肝を悪化させずに、動脈の脂質沈着が改善された。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、大きな自覚症状がないことから長年軽視されてきた。しかしながら、NASHが肝硬変、肝がんに移行することが明らかとなったことで、積極的な治療ターゲットという認識に変わってきた。また、NASHは肝臓だけにとどまらず、メタボリックシンドロームを背景とした糖尿病、脂質異常症、高血圧を悪化させ、虚血性心疾患の発症率と死亡率を2倍以上高くすることも、予後を悪くする原因となっている。増大する医療費を削減するため、自覚症状が少ない早期のNASHのうちから、積極的な治療介入を行うことができれば、致死的な虚血性心疾患への進行を事前に食い止めることができる。
すべて 2022 2021 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
Biochimie
巻: 197 ページ: 49-58
Biomedicine & Pharmacotherapy
巻: 139 ページ: 111633-111633
120007099347
Clinica Chimica Acta
巻: 510 ページ: 531-536
Experimental and Molecular Pathology
巻: in press
International Journal of Experimental Pathology
巻: 99(6) ページ: 282-294
Journal of Nutrition and Food Sciences
巻: 9(4) ページ: 1-9
巻: 99 号: 6 ページ: 282-294
10.1111/iep.12301