研究課題/領域番号 |
18K11095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
賈 慧娟 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任准教授 (60456324)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 食品因子 / エピジェネティックな制御 / 炎症性腸疾患 / メチル化の変化 / 腸内細菌叢変化 / メチル化変化 / 腸内細菌叢の解析 / エピジェネティクス制御 |
研究成果の概要 |
本研究では自然発症の炎症性腸疾患(IBD)モデルマウスから生まれた子マウスのIBD症状が、胎生期および授乳期に食品成分の摂取により軽減された。大腸粘膜の遺伝子発現とDNAメチル化状態を網羅的に統合解析した結果、IBDに重要な働きを持つ転写因子が抽出され、下流の標的遺伝子および炎症性サイトカインの発現が抑制されたことが明らかとなった。腸内細菌叢の解析では、菌種の多様性、炎症抑制関連菌および有機酸含量の増加が確認され、腸内細菌叢バランス失調の改善効果が示された。以上のことから、母マウス食品成分の摂取によりエピジェネティックな制御機構を介して疾患発症リスクが減少している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、未だ根本的な治療法を有さないIBDに対して解決の糸口を提示するだけでない。副作用がなく抗炎症作用が期待される食品素材の開発によって患者のQOLを上げ、また医療費の削減にもつなげられると考えている。本研究は特定時期の環境刺激が世代を超えて生体に及ぼす影響を解明しようとする挑戦的な試みである。これを基盤としてさらに多くの食品の機能を徹底解明する次世代研究の足がかりとなりうるものである。本研究の更なる発展により、遺伝的なリスクを持っている人々に、好ましいメチル化状態、腸内細菌叢を維持できる育児用粉乳や妊婦用の栄養補助食品の開発など、新しい機能性食品分野が生まれることが期待できる。
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