研究課題/領域番号 |
18K11316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60080:データベース関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
義久 智樹 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00402743)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ストリーミング配信 / エッジコンピューティング |
研究実績の概要 |
本研究では、エッジコンピューティング環境を活用したエッジ指向ビデオオンデマンドシステムによる無中断映像再生の実現を目的とする。エッジコンピューティング環境とは、インターネットの末端に接続された長時間稼働するエッジサーバを積極的に用いるコンピューティング環境である。再生端末がエッジサーバから映像データを受信することで、映像の配信サーバから受信する場合と比べて、配信サーバにかかる処理負荷および通信負荷を軽減できる。本研究では、以下の項目に分けて研究を進めた後、統合に伴って拡張を行った。新型コロナ感染症の影響により、参加を予定していた学会や研究会の見送り等があり、研究遂行に想定以上に時間を要したために期間延長を行った。 項目1「再生フェーズおよび待機フェーズにおける映像配信技術」:配信サーバの通信量を削減することで、配信サーバはエッジサーバや再生端末に映像データを短時間で送信できる。そこで本研究では、フレームレート依存エッジ伝送を提案、拡張、および他の技術との統合を推進してきた。 項目2「待機フェーズにおける映像配信技術」:待機フェーズにおいて、利用者が視聴する可能性が高い映像のデータをエッジサーバが配信サーバからあらかじめ受信することで、再生フェーズにおける配信サーバの通信量を削減して再生中断回数を削減できる。そこで本研究では、嗜好ベースプリ受信を提案、拡張、および他の技術との統合を推進してきた。 項目3「再生フェーズにおける映像配信技術」:再生フェーズにおいて、再生端末の再生中断回数や再生位置といった映像再生状況と、エッジサーバの受信済みデータサイズや映像数といった映像データ受信状況に、映像品質を適応させることで再生中断回数を削減できる。そこで本研究では、再生受信状況適応型映像品質を提案、拡張、および他の技術との統合を推進してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スマートフォンでYouTube動画の視聴中に再生が中断されることがあるように、現状のビデオオンデマンド配信では、再生端末の数が多くなると再生が中断される。既存研究では、再生される映像データをあらかじめ受信することが難しく、再生中断回数を十分に削減できなかった。本研究では、エッジコンピューティング環境を活用した新しいビデオオンデマンドシステム(エッジ指向ビデオオンデマンドシステム)を全体構想とし、再生中断のないビデオオンデマンド配信という誰もが不可能と考えていた非常に困難な問題に取り組んでいる。本年度は、この目的を達成するために、前年度に「フレームレート依存エッジ伝送」「嗜好ベースプリ受信」「再生受信状況適応型映像品質」を統合させたビデオオンデマンドシステムを拡張し、放送型配信や分割配信を行ったうえでのフレームレート依存エッジ伝送方式や、動的なストリームマージを適応したうえでの映像配信方式、動的なフレームレート変更やP2P配信の応用を推進した。 本研究の成果は、国内の大規模シンポジウムDICOMOやDPSワークショップで発表した。また、国際会議IWINにおいて論文誌への推薦を得たり、IEEEが主催する大規模な国際会議IEEE COMPSACに連続採択され、発表している。また、GCCEやNBiSといった著名な国際会議でも発表している。以上の理由から、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
エッジ指向ビデオオンデマンドシステムでは、エッジサーバは、接続されている再生端末が映像を再生している間(再生フェーズ)や再生前(待機フェーズ)に、複数の映像ファイルの一部のデータを配信サーバや他のエッジサーバから受信して保存する。利用者が視聴したい映像の再生を再生端末に指示すると、再生端末は再生する映像データをエッジサーバから受信する。エッジサーバが映像データを保持していない場合には配信サーバから受信する。以下の項目に分けて進め、統合して精錬してきた研究項目の完成度をさらに高める。 項目1「再生フェーズおよび待機フェーズにおける映像配信技術」:再生中断回数を削減するために、フレームレート依存エッジ伝送を提案している。フレームレート依存エッジ伝送では、エッジサーバが配信サーバからだけでなく他のエッジサーバから映像データを受信することで配信サーバの通信量を削減する。完成度向上に伴い、近年注目されている仮想空間の映像配信におけるフレームレート依存エッジ伝送方式を確立する。 項目2「待機フェーズにおける映像配信技術」:再生中断回数を削減するために、嗜好ベースプリ受信を提案している。嗜好ベースプリ受信では、エッジサーバは、利用者の登録チャンネルや過去に視聴した映像を基に嗜好に合った映像を抽出して優先的に受信する。完成度向上に伴い、待機フェーズにおいて仮想物体のモデルデータを配信する際に短時間で配信を完了する方式を明らかにする。 項目3「再生フェーズにおける映像配信技術」:再生中断回数を削減するために、再生受信状況適応型映像品質を提案している。完成度向上に伴い、再生フェーズにおいて仮想物体の動作データを配信する際に再生中断時間を短縮する方式を明らかにする。
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