研究課題
基盤研究(C)
海洋環境における溶存成分の循環に関する情報は、海洋物質動態のみならず、有事の事故に関わる海洋汚染に備え非常に重要である。本研究では、東シナ海、日本海、および オホーツク海における複数の溶存放射性核種 (Cs-134, Cs-137, Ra-226, Ra-228) 濃度の空間的に高分解能かつ高精度なデータベースを作成した。特に、福島原子力発電所事故由来のCs-134の分布は有効な海水循環のトレーサーとなった。さらにラジウムのデータベースが、日本列島を取り巻く溶存汚染物質の循環パターンを予測するうえでの指標として有効であることを明らかにした。
溶存放射性核種の分布から、日本列島近辺にもたらされる海水循環に関する情報を議論した。本海域における溶存成分循環の時間軸設定は、汚染問題を考えるうえで極めて重要であるにも関わらず、環境中に放出された時期・地域の明らかな放射性セシウムをトレースする以外の手法では困難である。これら放射性核種の空間分布の充実は、海水循環の解明のみならず、今後の有事の際の溶存汚染物質循環の対策にも有効である。さらに本研究で得られる日本列島を取り巻く海水のCs-134およびCs-137濃度の分布は、風評被害対策にも重要である。
すべて 2021 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) 図書 (2件)
Continental Shelf Research
巻: 214 ページ: 104328-104328
10.1016/j.csr.2020.104328
Journal of Environmental Radioactivity
巻: 223-224 ページ: 106382-106382
10.1016/j.jenvrad.2020.106382
Marine Chemistry
巻: 225 ページ: 103843-103843
10.1016/j.marchem.2020.103843
巻: 222 ページ: 106348-106348
10.1016/j.jenvrad.2020.106348
Environmental Science and Technology
巻: online 号: 2 ページ: 615-630
10.1007/s40710-020-00433-8
巻: 214 ページ: 103661-103661
10.1016/j.marchem.2019.05.004
Applied Radiation and Isotopes
巻: 145 ページ: 187-192
10.1016/j.apradiso.2018.12.029
巻: 197 ページ: 109-115
10.1016/j.jenvrad.2018.12.008
巻: 192 ページ: 580-586
10.1016/j.jenvrad.2018.04.021
巻: 141 ページ: 64-69
10.1016/j.apradiso.2018.08.012