研究課題/領域番号 |
18K11627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中村 和樹 日本大学, 工学部, 准教授 (60435500)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 氷河 / 定着氷 / 控え壁 / 相互作用 / 合成開口レーダ / 東南極 / 流動 / 白瀬氷河 / 流動速度 / リュツオ・ホルム湾 / 変位 / 画像相関法 / リュツォ・ホルム湾 / 海氷 |
研究成果の概要 |
白瀬氷河末端を取り囲む定着氷は、氷河を通して排出される氷が海へ直接的に流出することを抑制する働きを持つと考えられるが、そのメカニズムは理解されていない。本研究では南極氷河末端とその周辺を取り囲む海氷の変動を、衛星搭載合成開口レーダによる2015年~2018年の観測データを解析して流動速度を調べた結果、白瀬氷河末端を取り囲む定着氷の有無によって、接地線付近では氷河の流動速度に変化は見られなかったが、白瀬氷河の浮氷舌の流動速度では加速が見られた。白瀬氷河の浮氷舌とそれを取り囲む定着氷の相互作用は、定着氷の安定性により影響を受ける一方で定着氷が白瀬氷河に押され、控え壁の役割を果たすことが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海水位の上昇は氷床融解の寄与が最大の不確実性の原因となっているが、過去の海水位の変化は氷床の消長にほぼ依存しており、氷床融解による水位の上昇が懸念される。南極における雪氷の消耗の加速は西南極において顕著であるが、東南極は質量収支(積雪による涵養と海洋へ流出する消耗の和)が均衡していると考えられてきた。しかし、東南極の白瀬氷河を排出口とする氷床の流出量については消耗傾向にあり、白瀬氷河と氷河を取り囲む定着氷の動態の相互作用の理解が喫緊の課題であることを示した。このことから、本研究で明らかとなった氷河を取り囲む定着氷が控え壁の役割を果たすことは、今後、氷河の質量収支を考える上での重要な示唆である。
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