研究課題/領域番号 |
18K11641
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
角山 雄一 京都大学, 環境安全保健機構, 准教授 (90314260)
|
研究分担者 |
堀江 正信 京都大学, 環境安全保健機構, 助教 (60727014)
戸崎 充男 京都大学, 環境安全保健機構, 准教授 (70207570)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 細胞照射 / α線 / 高LET放射線 / DNA二本鎖切断 / DNA損傷修復 / バイスタンダー効果 / ライブイメージング / アポトーシス / CR-39 / PHITS / 放射線影響 / アルファ線 |
研究実績の概要 |
本研究では、生体内局所における放射線影響を細胞スケールで解明し、なかでも未解明のバイスタンダー効果の組織・臓器特異性についてその解析系を確立し、その実態を明らかにすることを目指した。 当初計画のうち、一細胞に対してヘリウムイオン(α粒子)を照射するシステムを開発するという目標については、研究計画二年目(令和元年度)に一細胞への照射系及び照射後の細胞内分子挙動をリアルタイムで観察することが可能なライブイメージング系を確立し、照射システムの基盤の構築を完成している。そして、計画三年目(令和2年度)には細胞に照射するイオン数及びエネルギーの評価方法を確立している。四年目(令和3年度)には、二次元または三次元でのα粒子の一細胞照射のためのシステム構成や照射手技、照射イオンの評価方法などをさらに改良し、その精度を高めた。この年度までの研究成果については、「第3回日本放射線安全管理学会・日本保健物理学会合同大会優秀ポスター賞」を受賞している。 最終年度(令和4年度)及び研究期間を延長しての令和5年度は、本研究により作出したRPA70::EGFP細胞とMDC1::DsRed2細胞や、細胞死関連の分子マーカーなどを用いて、一細胞照射実験、及びバイスタンダー効果の検出実験を行った。その結果、α粒子を数個程度照射した細胞核内で、照射後にα粒子がヒットしたとみられる部分にRPA70又はMDC1が集積する様子(fociの形成)を確認したものの、バイスタンダー効果は検出されなかった。細胞死関連マーカーについても同効果の検出には至らなかった。よって、同効果の検出には、さらなるマーカー探索の継続が必須であることが明らかとなった。その一方、一細胞をターゲットとするα粒子照射影響観察系については、今後の放射線影響研究に十分活用可能なシステムを完成することができた。これは本研究における非常に大きな成果である。
|