研究課題/領域番号 |
18K11653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
小池 学 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 重粒子線治療研究部, 上席研究員 (70280740)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | Ku70 / DSB / XLF / NHEJ / Live cell imaging |
研究実績の概要 |
放射線により誘発されたDNA二本鎖切断損傷(DSB)は生体にとって最も重篤なDNA損傷であり、修復することができなかった場合には細胞死や細胞老化などの原因に、また、もし正確に修復できなかった場合には変異や発がんの原因になりうる。ヒトや齧歯類の培養細胞などを用いた解析の結果から、 哺乳類の細胞ではDSBは、主に、非相同末端結合(NHEJ)と相同組換え(HR)の2つの機構によって修復するとされている。一方、生体内では、DSBを修復する2つの機構はより複雑な調節を受けていると予想されるが、損傷直後から始まる修復過程を生体内で検出する方法は未開発であるため、ほとんど情報がない。最近、私達はNHEJ機構を生体皮膚で検出し、トレースするためのDSBセンサーマウスの開発に成功した。本研究では新たな次世代DSB修復センサーマウスを開発し、生体内で損傷直後から始まるDNA修復の分子機構を非侵襲的にリアルタイムに解析することを通じて、DNA修復に関わる未解明な生理的意義を提示したいと考えている。本年度は、マウスにおけるDSB修復蛋白質の発現解析等を行うために、これまでの結果と論文情報等を基にマウス培養細胞等を材料に新たな抗体等を用いて、ひき続き固定法などの検出条件や抗体の特異性などについて検討を行った。また、新たな分子について損傷直後から始まるDNA修復の分子機構を非侵襲的にリアルタイムに解析するための予備実験と新たなマウス作成のための予備実験を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度前半から、新型コロナウイルス感染症対策により縮小したマウス系統などの飼育頭数の回復と体外でパイロット実験を進めるために不可欠な細胞培養ができる体制の整備に努めた。その結果、細胞培養については予定通りに体制が整った。しかし、マウスの飼育などに関しては利用している所内の施設の再編などが重なったことと新たに研究代表者の通院加療が始まったために、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、準備が整った体外での細胞培養系を使用したパイロット実験を進める。その間、マウスを使用した組織や個体等での実験を進められるように、縮小したマウス頭数を回復するためのマウスの繁殖・育種を進めるなど、まずは遅れている部分について、優先して進める予定である。
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