研究課題/領域番号 |
18K11774
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
萩尾 生 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 教授 (10508419)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | バスク語 / 少数言語 / 通信教育 / 通信講座 / 遠隔教育 / 言語復権 / フランコ体制 / ディアスポラ / 遠隔授業 |
研究成果の概要 |
スペインの権威主義的なフランコ体制下(1939年-1975年)では、バスク語使用に対する諸々の抑圧措置が講じられたが、体制後期には文化活動の一環としてバスク語教育がある程度容認され、なかには国外のディアスポラ社会との間でバスク語通信教育講座を開講する民間企業や個人も現れた。そこでは、文法理論重視ではないコミュニカティヴ・アプローチの採用や視聴覚教材の導入など、当時としては最新の言語教育の理論と実践が試みられたものの、この経験はその後のバスク語復権運動に必ずしも活かされなかった。その原因の1つは、今日バスク社会の公共空間で普及しているバスク語正書法の策定をめぐる見解の相違にあったと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、20世紀の少数言語の存続・教育・普及運動において、事例が少なくこれまでほとんど注意を払われることのなかった通信教育制度に着目し、フランコ体制下スペインで国境を越えて実践されていたバスク語通信教育の実態を明らかにした点に独創性がある。本研究は、フランコ体制下ではスペイン語以外の地域的/民族的諸言語が抑圧されていたという従来の一面的な理解を多角的に再検討する契機となるばかりか、今日顕著となっている在外同胞支援ネットワークや、世界規模のeラーニングの先駆的試みとしての新たな知見を提供できることが期待される。
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