研究課題/領域番号 |
18K11797
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
近藤 伸二 追手門学院大学, 経済学部, 教授 (40735023)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 台湾の民主化 / 移行期の正義 / 独裁体制打破 / 日台の絆 / 独裁体制の打破 / 自救宣言 / 彭明敏 / 国民党一党独裁 |
研究成果の概要 |
彭明敏・元台湾大学教授が国民党一党支配体制を批判した「台湾人民自救運動宣言」を作成した経緯や逮捕後の自宅監視の中を海外脱出した経緯はこれまで謎の部分が多かったが、本人をはじめ関係者への聞き取りや関連資料の収集・分析で、全容を明らかにすることができた。それにより、台湾の民主化に対する彭明敏氏の貢献を明確にすることができた。 海外脱出の経緯では、日本の支援者が大きな役割を果たしたことが明らかになった。支援者たちは自由や人権という価値観に共鳴し、自らの危険も顧みず、会ったこともない外国人の彭明敏氏を手助けしており、台湾が独裁体制だった1960年代から深い「日台の絆」が存在していたことが証明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では、台湾の民主化は李登輝・元総統が主導した国民党による「上からの改革」による成果との認識が定着しているが、本研究によって、彭明敏氏のような様々な立場の人たちの「下からの努力と犠牲」の積み重ねもあったからこそ達成できたという事実を示すことができた。 彭明敏氏の命懸けの海外脱出には、日本の支援者の貢献も非常に大きかったことが本研究で明らかになったが、これは日台の歴史を考える上でも重要な意味を持つ。1972年の日台断交後、政府間関係はなくなくなったが、経済分野だけではない民間の草の根ベースの交流は続いていた。これが、現在の良好な日台関係につながっていることを再認識する必要がある。
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