研究課題/領域番号 |
18K11803
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤野 彰 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 名誉教授 (60646404)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 中国共産党 / 中国革命 / 毛沢東 / 井岡山革命根拠地 / 中央革命根拠地 / 客家 / 族群 / 粛清 / 袁文才 / 王佐 / 袁文才・王佐殺害事件 / 中国共産党政治 / 漢民族 / 広東省 |
研究実績の概要 |
これまでの研究の一つの成果として令和4年1月に刊行した『客家と毛沢東革命――井岡山闘争に見る「民族」問題の政治学』(日本評論社、全518頁)は、『読売新聞』の書評(令和4年4月3日付、評者=国分良成・前防衛大学校長)で取り上げられたほか、同紙読書欄(令和4年12月25日付)の「今年の3冊」に選ばれた。 この研究成果を踏まえて、令和4年7月15日には慶應義塾大学「東アジアサロン」において「中国共産党と客家タブー:原点としての井岡山闘争」と題して研究発表を行い、これまでに得られた知見を社会に還元すべく、各界の専門家、有識者らと意見交換した。研究成果の一部は私が編著者として現在執筆中の現代中国問題の概説書『現代中国を知るための52章』(改訂第7版、明石書店、令和5年末刊行予定)にも反映させる計画である。 令和4年度は、研究の重点を、井岡山革命根拠地から中央革命根拠地へと移し、1930年代前半に中国共産党の党軍内で発生した「反AB団闘争」「富田事変」などの粛清事件の再検討を進めている。 中央革命根拠地は漢民族内の有力なエスニック集団「客家」の集中居住地域であり、中国共産党の革命闘争と客家文化の関係性をさらに深く究明すると同時に、党内粛清に象徴される中国共産党の「暴力」の諸現象を、建国後の反右派闘争や文化大革命、そして改革・開放の今日へとつながる政治文化・政治風土の形成という視点から検証し、その起源と原理を明らかにするのが目下の研究課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長期化したコロナ禍の影響で中国現地での史資料調査、研究交流などが実施できておらず、その点では当初計画の変更を余儀なくされたが、現時点でアクセス可能な史資料を幅広く、丹念に分析することによって、また研究上の切り口を工夫することにより、新たな知見をそれなりに積み重ねることができている。 2冊目の研究書の原稿も順次書き進めており、まだ出版時期を確定できる段階にはないものの、今後数年内に刊行できるよう努めたい。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き史資料の調査・分析と、原稿執筆を並行して進める形で研究作業に取り組んでいくつもりである。中国国内での公開史資料が制限されている中国共産党史という研究テーマの性格上、まったく新しい「歴史的事実」の発掘といったことは困難であるが、研究の視点を変えることによって中国共産党の革命と政治の実相に新たな角度から切り込んでいく余地はまだ十分にあると考えている。
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