研究課題/領域番号 |
18K11822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古矢 旬 東京大学, 大学院総合文化研究科, 名誉教授 (90091488)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 熟議民主主義 / ポピュリズム / 権威主義 / 反知性主義 / ドナルド・トランプ / 陰謀論 / 『ザ・フェデラリスト』 / 排外主義 / 移民排斥 / 人種差別 / ネオ・リベラリズム / オルト・ライト |
研究成果の概要 |
本研究は、現在アメリカ民主政が直面している修復困難な「分断」の現状と、それがいかなる歴史や制度の展開の結果齎らされたのかを問い、その解消の方途を探った。 第一の成果は、直接的には政党政治や選挙結果に表れる「分断」が、アメリカの場合、民主政の淵源に関わる長期的歴史認識に根差しており、それだけに短期的な政策的解決が困難なことが解明された点である。第二に、現代アメリカとよく似た「分断」現象は、グローバルにヨーロッパ、アジア、南米各国でも見られ、それぞれの地域研究者との意見交換を通して、1980年代以降各国で展開された新自由主義的な政策運営が、諸国の分断現象に共通に及ぼしてきた影響が明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、とくにトランプ大統領治下のアメリカ民主政は、政治党派間の「分断」が進むことにより、熟議民主主義として劣化が進み、権威主義的ポピュリズムの様相を帯びつつある。かつて冷戦期には、わが国の民主化にとって一つの有力なモデルとして長く、繰り返し参照されてきたアメリカ型の自由民主主義は、この間多大の変容を余儀なくされてきた。本研究は、現今の「分断」の原因を、アメリカ史と国際比較との両面で探り、成果をアメリカ現代史の通史として上梓することによって、わが国のアメリカ理解を更新し、深化させることに貢献した。
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