研究課題/領域番号 |
18K11833
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
大塚 英志 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (20441355)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | メディアミックス / 大政翼賛会 / 報道技術研究会 / 翼賛一家 / 金山一家 / 植民地まんが研究 / プロパガンダ / クール・ジャパン / メディア・コンヴァージェンス / 今泉武治 / メディア理論 / 映画的 / プラットフォーム / 文化工作 / 素人 / 多メディア展開 / 編集 / キャラクター / 手塚治虫 / 参加型ファシズム / 市川綱二 / 二次創作 / ユーザー参加 |
研究成果の概要 |
メディアミックスなる語は戦後の造語だが、その提唱者らは戦時下の国家広告の理論化を行った報道技術研究会等の広告関係者で、彼らが戦後その枠組みを黎明期のテレビを軸とする広告理論として援用した。大政翼賛会は「翼賛一家」というキャラクターを用い、大東亜共栄圏の最小単位である隣組のプロパガンダを、日本国内だけでなく「外地」、即ち台湾・朝鮮・上海・華北・満州で、現地に派遣されたまんが家、外地出身のまんが家を起用しトランスメディア展開をした。朝鮮では「翼賛一家」の現地事情に合わせたローカライズ作品「金山一家」を制作した。その過程で各地に漫画家協会を組織化、宣伝工作用まんが家の育成のための教育も行われた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のアニメ・まんが・ゲームなどメディア産業に広汎に用いられるビジネスモデルであるメディアミックスの様式や考え方が、従来研究では名称の使用にとらわれ、戦後起源とされてきたが、戦時下に理論化、実践されたプロパガンダ技法であることを明らかにした。特に現在の「版権」のもとに、作り手や二次創作者の参与を統治するというビジネスモデル自体が、戦時下プロパガンダのフレームであり、その対象は「外地」に及び、大東亜共栄圏の形成に寄与するための戦時下のクール・ジャパン政策とさえ形容できる性格のものだと示した。そのことを通じ、一見、非政治的に見えるメディア理論が、実は戦時下に通底する政治性を持つことを明らかにした。
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