研究課題/領域番号 |
18K11838
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
津々見 崇 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (40323828)
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研究分担者 |
十代田 朗 國學院大學, 観光まちづくり学部, 教授 (70226710)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 地域遺産活用 / スタディツアー / 持続可能な観光 / リジェネラティブ・ツーリズム / 参与観察調査 / 石狩市 / 地域遺産 / 観光まちづくり / アウトリーチ活動 / 奄美遺産 / 文化資源マネジメント / 世界自然遺産 / 歴史文化基本構想 / 着地型観光 / オルタナティブ・ツーリズム / エコミュージアム / エコツーリズム / 観光イメージ / 奄美大島 / 世界遺産登録運動 / 観光人材育成 / 文化財保全活用 / 段階的活用 / 展開型地域学習 / 地域情報アーカイブ / 主観的・探求的価値 / 地域資源 / 観光魅力化 |
研究実績の概要 |
正統派遺産タイプ・石狩遺産を運営する市民団体への参与観察調査を当年度も継続し、スタディツアーの企画・実施過程における市民の議論内容を分析した。その結果、対象となる地域遺産の【客観的・学術的価値】をインタープリターとしてツアー参加者に正確に伝えることが課題とされ、内容面・運営面で高度化してゆく状況が観察された。一方でコロナ下での活動停止等が、新規会員勧誘の停滞、会員の高齢化や意欲低下を招き、①特定者への負担偏重、②長期の活動を通じた内容高度化への困惑、③経年による個人的事情の変化等によって活動縮退に至る状況が明らかになった。 本課題の研究目的に即して結果を整理すると、①遺産認定時の価値整理は6段階に整理され、個人的・主観的価値から社会的・主観的価値へ展開することで地域遺産化が実現すること、②観光活用を企図した地域遺産選定を行う地域もあるが、観光資源としての価値の同定と対象層選定、育成などマーケティングの視点が重要なこと、③認定された地域資源をスタディツアーなど教育・観光面で直接活用される事例は散見されたが、在来種や文化の復活等へ結実した事例は未だ観察できず将来的な課題だと指摘できること、がある。 以上から、地域遺産成立システムから発展システムへ《持続可能な観光への制御》を観光地域マネジメントとして実行するというのは、観光集客を進めてから影響対策を対処療法的に施すのではなく、初期には経済的効用は大きくないが観光資源管理=地域遺産管理を徐々に広げ深めて価値を高め、その歩調に合わせた来訪者の設定と適切な商品造成を、時間をかけて進めるべきだろう。JSTS-Dは一定度有効だが“観光活用しない”ことに関して改良が必要だと考えられる。なお地域遺産と再生型観光(リジェネラティブ・ツーリズム)のコンセプトとの融合を通じた地域保全・発展の可能性が示唆されるため、将来的な研究課題として指摘できる。
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