研究課題/領域番号 |
18K11850
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
木下 征彦 日本大学, 商学部, 准教授 (10440025)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 地域社会 / 世界遺産 / 再帰性 / 観光 / まなざし / 観光社会学 |
研究成果の概要 |
本研究では、群馬県富岡市を事例として世界遺産登録が地域社会に及ぼす影響の実態を調査しつつ、その分析のための基本的な視点と方法を検討することをめざした。これまでの研究の結果、本事例においては世界遺産登録がもたらす地域社会への影響は限定的であることがわかった。 観光客の増加やそれが引き起こした中心市街地の活性化などの現象は、限られた範囲のものであり、地域全体に影響を及ぼすものではない。他方、社会・文化的な側面においては、市民意識や地域文化への影響を見出すことができる。具体的には、地域社会と富岡製糸場の関係性の変化、「工女」や「シルク」など、地域の記憶や文化の表象化、市政における争点化などである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の一つは、先行研究が取り組んできた観光や住民生活、経済効果といった個別的な側面のみならず、世界遺産登録の影響を地域社会の諸側面から包括的に捉えたことである。これは世界遺産研究や観光社会学の方法に新たな知見を加えるものであり、その点で、学術的な意義を見出せる。もう一つは、事例研究をつうじて世界遺産登録が地域社会に及ぼす影響を10年間にわたって継続的に調査したことである。その影響の範囲が限定的であるという事例研究の結果は、広く社会的に流布している世界遺産登録が地域の活性化につながるという言説を一般化することができないことを示した点で、社会的な意義があるといえる。
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