研究課題/領域番号 |
18K11856
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
後藤 和子 摂南大学, 経済学部, 教授 (00302505)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 伝統工芸 / 伝統工芸と観光 / 伝統工芸の海外展開 / 博物館財政 / 博物館の潜在力 / 博物館と観光政策 / 観光政策と地方財政 / 文化観光 / 博物館の財政モデル / 工芸産業 / 工芸が内包する無形のコンテンツ / 地域団体商標 / 知的財産権の経済学 / ミュージアム / 博物館法 / ミュージアムの定義の変更 / 文化政策と観光政策の政策統合 / 無形文化遺産 / 工芸 / ミュージアムと観光 / デジタル文化観光 / 文化政策 / 産業政策 / 持続可能な観光政策 / 観光政策 / 文化経済 / クリエイティブ産業 / 地域経済 |
研究実績の概要 |
今年度は、伝統工芸や博物館に焦点を絞り、観光政策との連携を探った。 伝統工芸の生産額は一般的には減少傾向にあるが、統計データをよく見ると、2010年頃から生産額が再び増加している分野がある。刃物もその1つである。打刃物は刀製作の技に由来する。その技は無形文化財に指定され、また、打刃物は経済産業省の伝統的工芸品にも指定されている。伝統工芸の技を継承する刃物生産の中でも、包丁や大工道具は輸出量も増加し生産額も伸びている。 なぜ、このような変化が起こったのか、統計データと現地調査により変化の要因を分析した。その結果、伝統工芸の分野において、伝統的な技を使った新製品の開発、海外市場の開拓とともに観光との連携が始まっていることが明らかになった。研究の成果は論文として公表し、また、海外展開に焦点を合わせて、文化経済学会大会でも発表した。 博物館に関しては、博物館法の改正やICOMにおける博物館の定義の更新等、新たな動きがあり、観光との連携も、その1つである。博物館は、社会教育施設であるという従来の定義に加え、より積極的に社会課題に向き合うことが求められるようになった。OECDとICOMが作成したガイドでも、地方自治体が博物館の潜在力をより引き出し、都市・地域政策に位置づけることを求めている。今年度は、博物館関係者と共同研究を行う機会に恵まれ、博物館財政の問題や、博物館の潜在力について日本の事例に即して研究を行い、その成果を冊子(『博物館の可能性-持続可能な未来を推進する地域発展のために-』にまとめることができた。この冊子は文化庁のサイトにも掲載されている。 更に、観光政策と地方財政の関係について、地方財政学会大会においてシンポジウムの企画とモデレーターを担当した。観光客が多い京都市がなぜ財政赤字に陥ったのか、宿泊税の効果、今後求められる文化観光のあり方とは等について議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内における調査・研究はできたものの、新型コロナウィルス感染症の影響で、海外調査において遅れが生じた。そのため、研究目的である国際比較研究が十分にできていない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症による渡航制限等がなくなれば、海外調査や国際学会への参加も可能になるため、国際比較研究の遅れを挽回するようにしたい。具体的には、2023年に開催される国際文化経済学会大会(アメリカ合衆国)への参加や、スウェーデンで開催される工芸に関する国際学会に参加する予定である。また、アポが取れ次第、海外の大学への渡航も計画したい。
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