研究課題/領域番号 |
18K11865
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
中里 真 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (50569895)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 民泊 / 住宅宿泊事業法 / 旅館業法 / 宿泊拒否制限条項 / 旅行業法 / 消費者契約法 / 販売預託商法 / シェアリング・エコノミー / 地方自治 |
研究実績の概要 |
2023年度は、本研究を通して得た知見を日本観光学会第116回全国大会にて、「法的視点による民泊制度の評価」のタイトルで報告した(11月5日)。そこでは、民泊新法施行時に心配されていたトラブルについての相談件数が激減していること、裁判例は、大阪地判平成29年1月13日消費者法ニュース111号313頁や、東京地判平成31年4月25日判タ1476号249頁などがあるものの、決して数が多いわけではないことなどについて触れ、民泊が定着したように感じられていることについて言及した。ただし、観光庁(国土交通省)が運営する民泊制度ポータルサイト「minpaku」を詳細に確認すると、旅館業法などの既存法を利用した宿泊施設をも民泊として捉えており、京都市など地方自治体によっては、むしろ、新法ではなく既存法を利用した民泊への誘導という現状も見て取れる。以上の次第から、住宅宿泊事業法14条で求められる届け出住宅数や外国籍の宿泊者数などのデータについても、その制度的理解を深めることによって、データのみで民泊の現状を即断することは控えるべきで、あくまでも傾向をとらえられるに過ぎないことを指摘した。 関連して、2023年6月、旅館業法5条に規定された宿泊拒否制限条項の改正法が成立し、12月からは規制が緩和され、ここに住宅宿泊事業法と旅館業法ともに規定上の矛盾が解消されたことについても検討を加え、その点は日本観光学会北海道・東北支部大会にて「法的視点による宿泊制限拒否」と題しする口頭報告を行った(2024年3月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画で予定していた、研究年度終盤における本大会での学会報告を行いえた点でおおむね順調に進展したと判断した。新型コロナウィルス感染症の影響が大きい研究分野ではあるが、むしろ、そのことによって住宅宿泊事業法14条による届け出資料の持つ意味を分析することにつながり、また、旅館業法5条の改正にも影響を与えていることが確認できたという意味でも本年の研究活動は充実したものとなった。
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今後の研究の推進方策 |
国内における状況の検討をすすめるにつれ、その民泊制度の複雑さや新型コロナウィルス感染症後の新たな対応に向けた期待が明らかになっている。報告準備の過程では、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)によるAirbnbへの確認でき、計画当初に掲げた海外事例との比較をもって本研究のまとめを行う。
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