研究課題/領域番号 |
18K11936
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
越川 博 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 主幹技術員 (00354936)
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研究分担者 |
臼井 博明 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60176667)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | イオン穿孔 / ナノコーン / 光触媒 / 二酸化チタン / ポリイミド / テンプレート / 焼成 / ポリカーボネート / 電気泳動電着 / スパッタ蒸着 |
研究実績の概要 |
数百MeVに加速した重イオンビームを高分子基材に照射した後エッチングすると、膜厚方向に形状のそろったイオン穿孔が作製できる。このイオン穿孔は、イオンが通過したコアが先に溶解し、その後周辺がなめらかに溶けていくことから、先端が直径12 nm程の先鋭な形状ができる。このナノコーンに光を当てれば反射を繰り返すことで完全な光吸収が可能な形状となりうる。本研究では、イオン照射とエッチングにより、高分子膜にイオン一つの軌跡に沿った円すい形のナノ穿孔を形成し、これをテンプレートとした光触媒ナノコーンアレイの作製技術を確立することをめざした。今回は、穿孔先端までTiO2が充填されているかを検討した。 ポリイミド膜(東レ製カプトン、膜厚25 μm)を2枚重ねたターゲットに、サイクロトロン加速器からの127 MeV 40Arイオンを3.0×10^7 ions/cm^2のフルエンスで照射した。照射イオンが途中で停止した2枚目の膜を60℃の次亜塩素酸ナトリウム溶液でエッチングした。次に、ゾル-ゲル法で合成したTiO2微粒子(粒径5 nm)分散ゾルを穿孔膜の開口部に滴下し減圧乾燥する工程を繰り返すことによって、穿孔内にTiO2を充填した。その後、TiO2の緻密化と結晶化を促すため、空気中で400℃、3時間の熱処理を施した。この穿孔膜-TiO2複合体を上と同じNaClO溶液に浸漬し鋳型の穿孔膜を除去することでTiO2コーンを得た。透過型電子顕微鏡により、底面直径1.0 μm、高さ2.4 μmのTiO2 コーンが確認でき、その形状、サイズともに鋳型の円すい上穿孔と一致した。また、穿孔膜-TiO2複合体の断面TEM観察と同視野におけるTiのエネルギー分散型X線分光(Ti-EDX)観察により、TiO2微粒子が穿孔のコーン先端部まで充填されるとともに、熱処理に伴う凝集により緻密化していることが確認できた。
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