研究課題/領域番号 |
18K11940
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
雨宮 邦招 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (60361531)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 暗黒シート / 光吸収体 / 黒体 / 極低反射 / イオンビーム / 表面微細加工 / 高耐久 / フレキシブル / イオンビーム加工 / 低反射率 / 高放射率 |
研究成果の概要 |
本研究では、表面反射がゼロに近い黒体材料を製造する技術を開発した。高エネルギーイオンビーム加工により形成したマイクロ空洞構造を原盤として、黒体材料のシートを転写する技術を確立した。製造した黒体シートは、紫外~可視~近赤外~中赤外の波長範囲で、≦0.5 % の非常に低い反射率を示した。 特に、中赤外域での反射率は ≦0.1% と極めて低いうえ、接触、繰返し曲げ、引っかきを行っても性能を維持していた。 また、本黒体材料は100 mm×80 mmの大面積にしても高い均一性を有していることを確認した。 これにより分光分析における迷光除去や熱画像検知など、光計測技術の格段の性能向上に貢献できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「暗黒シート」はシリコーンゴムの柔軟性を保っており、曲げても触っても、粘着テープを貼りつけて剥がしても、表面の微細空洞構造が損なわれないため、性能が劣化せず、高い光吸収率を維持できる。このように、耐久性と、極めて高い光吸収率を併せ持つ黒色素材は世界初である。また、この暗黒シートは原盤から繰り返し作製できるため、量産性もよい。また、他の素材への拡張性の高さも示すことができた。美しい黒が映える新素材として、例えば高級感ある黒の演出や、黒が沈む高鮮明映像への貢献のほか、サーモグラフィーでの熱赤外線の乱反射の防止など、一般環境での幅広い応用が期待される。
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