研究課題/領域番号 |
18K11965
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
日髙 杏子 芝浦工業大学, デザイン工学部, 准教授 (50801297)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 色彩論 / カラーチャート / 標準化 / ナショナリズム / ブリティッシュカラーカウンシル / 伝統色 / ファシズム / デザイン規格 / 多言語対応 |
研究成果の概要 |
本研究はデザイン学と色彩学の視座から、イギリスのデザイン規格カラーチャートへ投影された政治思想の一次資料に基づく論証を主眼に置いてきた。3年間にわたる伝統色の表象についての調査と発表を通じ、「国家」と「民族」を表現するプロパガンダ媒体としての色彩の検証を深めた。ブリティッシュカラーカウンシル発行カラーチャートの利用は、その表象のための道具であった。 本研究成果の総括として、2021年9月に学術選書『色を分ける 色で分ける』(京都大学学術出版会)を上梓する予定である。ナチズムが「アーリア民族の純潔」を守るという思想の下、今まで注目されなかった他人種に対する身体色計測用カラーチャート各種を精査した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、1930年代イギリスやヨーロッパ諸国の軍事パレード、観艦式、王侯の戴冠式や結婚式における路上や宮殿などを彩る国旗や装飾の色彩が、ナショナリズムの率直な視覚化と愛国心を煽るために用いられた点の検討である。ブリティッシュカラーカウンシルは、イギリスの国家的・軍事的式典の色彩計画とデザインを担当し、式典に特化したカラーチャートを発行した。 本研究の社会的意義は、20世紀前半に伝統色が「国家」と「民族」を表現する媒体として利用されたことを掘り起こし、今後のデザインや社会趨勢の理解に活かすことである。ナショナリズムと色彩の関係の歴史は、現代を考える上で貴重な引き出しであったといえる。
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