研究課題
基盤研究(C)
66名のてんかん患者における85回分の多様な型の発作と、221時間分の発作間欠期データを用いて、機械学習の手法であるautoencoderによって発作間欠期と発作時を識別するアルゴリズムを構築した。識別性能は、受信者動作特性曲線における曲線下面積(AUC、1に近いほど高性能)による評価で0.92と良好であった。また機械学習手法の最適化や発作型ごとの性能検証を行い、焦点性てんかんの二次性全般化発作に対して多変量統計的プロセス管理に基づくアルゴリズムを適用し、最適条件ではAUC=1を達成した。
心拍データのみを用いて、比較的軽い発作も含め高性能で発作検知が可能なアルゴリズムを構築できた。今後、本アルゴリズムを代表者らの有するウェアラブルてんかんモニタリングシステムのプラットフォームに実装し、プロトタイプ構築および精度検証を目指したい。本研究の成果は、発作を検出してオンデマンド抑制するclosed-loop型治療や、発作記録に基づき治療方針を示唆する人工知能診療支援システムなど、次世代のてんかんケアにも応用可能性が高い。更に心拍や呼吸の持続モニタリング技術は、近年問題視されているてんかん突然死の病態解明にも役立つことが期待される。
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Epilepsy
巻: 14(1) ページ: 40-43
クリニシアン
巻: 66(5-6) ページ: 440-445