研究課題
若手研究
本研究では、カール・マルクスのエコロジカルな資本主義批判の方法論が、「存在論的一元論」と「方法論的(分析的)二元論」を採用していることが明らかとなった。近年マルクスは「社会」と「自然」のデカルト的「存在論的二元論」を採用していると批判されてきたが、それは誤っていることが示された。さらに、「方法論的二元論」を採用することで、資本主義の歴史的特殊性を把握することができる。その点において、マルクスの理論的枠組みは、ハイブリッドを掲げる論者たちが採用する「存在論的一元論」と「方法論的一元論」のペアよりも優れていることが示された。
気候危機の深刻化は、資本主義との関連で論じられる必要性がある。その際の理論的参照点としてカール・マルクスの『資本論』が役に立つ可能性がある。ところが、近年、マルクスの理論的枠組みは、「社会」と「自然」を対立させる二元論に落ちってしまっていて、人間と自然の絡み合いが複雑化した「人新世」の環境危機を論じることはできないと批判されてきた。マルクスの理論を丁寧に再検討することで、そのような批判が的外れであり、さらには、批判者たちの一元論的代替案よりも優れていることを示した。
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