研究課題/領域番号 |
18K12192
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
吉沢 文武 秋田大学, 高等教育グローバルセンター, 講師 (20769715)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 動物倫理 / 危害 / 生殖倫理 / 菜食主義 / ベジタリアニズム / 反出生主義 / 生命倫理 / 生殖の倫理 / 反事実条件的比較説 / 福祉 / 道徳的地位 |
研究成果の概要 |
本研究は、人間による人間以外の動物の倫理的扱いに関して、「危害」の概念に注目し、特定の倫理理論に基づくのではない、常識的な動物倫理の可能性を探るものである。とくに、本研究では、畜産における人間による動物利用の倫理的問題を中心に、動物に対する不必要な危害を避ける倫理的菜食主義がいかに受けいれられうるか、畜産のために動物を生み出す行為を危害と捉えうるかの検討を行なった。さらに、発展的な研究として、動物に限定されない生殖倫理のテーマとして、子どもをもうけるべきでないという反出生主義の批判を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「まともな理由なく危害を加えるべきではない」という常識的な考えを基礎に、人間による動物の扱いの倫理的是非を捉え直すものである。菜食主義への関心は、環境問題への関心もあいまって、高まりつつあると思われる。そうした私たちの食選択や、畜産や食肉産業を支える消費選択を振り返るさいに、日常的な思考のなかで用いることのできる原則として、「危害」を避けることへの配慮を本研究は提示している。また、生命を生み出すという選択をめぐる本研究の議論は、現実の問題をめぐる、生殖に関する生命倫理学の基礎として、参照することが可能である。
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