研究課題/領域番号 |
18K12195
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 (2022) 大谷大学 (2019-2021) 立命館大学 (2018) |
研究代表者 |
鍾 宜錚 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 講師(任期付) (10793672)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 終末期 / 孝 / 台湾 / 法制化 / 意思決定 / 延命医療 / 事前指示 / 良い死 / 終末期医療 / 事前指示書 / 親孝行 / 代理決定 / 延命治療 / ACP / 尊厳 / 善終 / 家族 / 儒教 / 自己決定 |
研究成果の概要 |
本研究は、終末期医療における「孝」の表現に注目し、延命治療をめぐる意思決定と家族の葛藤を分析することで、患者の「最善な利益」や「自律の尊重」など従来の倫理原則とは異なる、「孝」の観点から捉える終末期医療のあり方と家族との関係性に基づいた倫理原則の提示を目的とした。研究期間中、台湾における終末期医療の法制化の議論を検討しつつ、意思決定プロセスにおける家族の役割を検討し、臨床現場における「孝」の文化の実践を考察した。また、家族形成の変化ととも「孝」の概念にも変容が見られており、現代台湾社会における「孝」の意義をその実践についても考察した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、終末期医療のあり方から捉えた「孝」の表現と変化を明らかにし、患者の自律 ではなく、「孝」を出発点とした医療倫理原則を再構築することを目的としたものである。「孝」の内容だけではなく、「不孝」とされる行 為についても分析し、ネガティブな側面から「良い死」とされる死に方の内容を描き、それによって家族の代理決定による延命治療の中止を正当化するような議論を考察した。現代社会における家族形成と人間関係の変化により、従来の「孝」の概念への理解が多様化になった。台湾社会において、終末期医療の法制化における伝統的な価値観の影響や、「孝」の多義性を明らかにしたことが本研究の意義である。
|