研究課題/領域番号 |
18K12234
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2021-2023) 日本大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
谷口 紀枝 早稲田大学, 坪内博士記念演劇博物館, その他(招聘研究員) (70782697)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 新派映画 / 弁士 / 女性の声 / 口承芸能 / SPレコード |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、新派映画を、聴覚、視覚の両面から検証することで、その全容を実証的に解明することにあった。本研究においては、家父長制度に翻弄される近代女性の悲劇を描いた新派映画と、近代日本に生きる女性の心情を代弁した弁士の語りに着目して検証を進めてきた。結果、明らかになったのは、新派映画を語る弁士の大部分は男性で占められ、近代を生きた女性の肉声は、伝統的な芸能の延長線上にとどまり、近代劇である新派と結びついた事例は希少であるということであった。今後は、この研究成果を軸に、近代日本女性の表象とその肉声の存在の実態についての検証を継続する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、新派映画を、映画に関連する同時代の文学、演劇、芸能などの周辺領域を包括してジャンル横断的に考察することで、残存率がおよそ3%と低く、これまで研究対象とされ得なかった新派映画を、聴覚、視覚の両面から体系的に明らかにしてきたことにあり、その社会的意義は、これまで殆ど検証されることのなかった明治、大正期における近代女性の肉声の不在に着目した点にある。伝統芸能の中に僅かに残存した近代女性の真の肉声は、大正期のレコード文化の発達を背景に、ようやく日本中に響くことになったのである。
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