研究課題/領域番号 |
18K12247
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 比治山大学短期大学部 (2021-2023) 同志社大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
宇多 瞳 比治山大学短期大学部, その他部局等, 講師 (70735290)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脱植民地化 / 展示 / 美術批評 / ユニット・ワン / ハーバート・リード / シュルレアリスム / キュビスム / ヘンリー・ムーア / バーバラ・ヘップワース / ポール・ナッシュ / ベン・ニコルソン / レユニオン島 / パリ万国博覧会 / フランス / 近現代美術 / 植民地主義 / レユニオン / FRAC / リリスム / レアリスム / ポストコロニアル / 海外県・海外領土 / フランス近現代美術 |
研究実績の概要 |
今年度は、欧米の美術館や博物館で近年広がりを見せている略奪文化財の返還の動きを、現代美術の脱植民化に関連する問題として捉え、情報収集を行った。また、フランスの中学高校で用いられている地歴教科書を調査し、過去の植民地支配や戦争の歴史と西洋美術が学校教育においてどのように記述・図示されているのかを検証した。加えて、第18回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展を視察し、脱植民地化の流れが現代の建築設計の理念やビエンナーレの展示デザインにどのようにあらわれているのかを考察する準備を進めた。その中で、文化財や美術作品そのものだけでなく、作品の展示方法や展示を通じた観客の経験、そして、それらをめぐる政治性についても研究対象とする必要があると考え、研究が進んでいる英米のエキシビション・スタディーズやビジター・スタディーズに関連する資料の収集及び調査を開始した。 並行して、日本の近代美術における戦争への関与や、戦後のヒロシマや被爆者をめぐる問題を、当時の美術界や美術批評家がどのように捉えていたのかを明らかにするため、瀧口修造の美術批評を読み解いた。戦後の瀧口が、音信不通となっていたヨーロッパの詩人や画家らの消息をたどりながら自身の美術批評の方向性を模索していたこと、ピカソによって描かれた白い鳩の絵が戦後の平和を象徴する図像とされていったことに対して瀧口が強い共感を抱いていたこと、また、彼が戦前・戦中の画家たちの「前衛と抵抗」を体現する存在として広島県出身の靉光を評価していたことなどを論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資料収集が進み、それらを整理する準備に取り掛かりつつあること、また、瀧口修造の美術批評に関して紀要論文を執筆したことから研究は進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに行った調査を論文にまとめ、学会誌や紀要に投稿できるよう準備を進める。
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