研究課題/領域番号 |
18K12267
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
|
研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
井上 由里子 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (70601037)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ヴァレール・ノヴァリナ / アール・ブリュット / フランス20世紀演劇 / 障害 / 俳優論 / ケア / 蜂鳥劇団 / 暗黒舞踏 / 翻訳論 / フランス演劇 / 身体論 / 傷つきやすさ / 俳優術 / 演技論 / 上演 |
研究成果の概要 |
ノヴァリナとデュビュッフェの影響関係を探り、ノヴァリナの俳優論におけるアール・ブリュットの受容と展開について考察した。その結果、従来ノヴァリナのアール・ブリュット受容は劇作術にとどまると考えられてきたが、俳優論においてもアール・ブリュットが摂取されていること、理想の俳優像をコール・ブリュットと呼ぶことができることを示した。また1990年後半のビュシュヴァルト演出における俳優の演技にその理論の展開が見られること、障害のある身体がコール・ブリュットという理想を実現しうることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の第一の意義は、コール・ブリュットという新概念と障害者演劇におけるその展開を解明することにより、従来のアール・ブリュットが作者の生きた身体を置きざりにしてきた傾向を顕在化させ、障害のある身体が芸術的にも社会的にも新しい可能性を拓くことを示した点にある。また学際的研究を通して、まだ日本で知られていないフランスの障害者演劇の実態を示すとともに、暗黒舞踏と障害のある身体との接点という新しい視点を提示した。さらにノヴァリナの俳優の演技において言葉と人間の関係が反転することを指摘し、ノヴァリナの言語の演劇性を示したが、この指摘には単なる言語実験と批判される作家像を修正する意義があると思われる。
|